研磨作業 ~ ガラスカットと研磨 ~
研磨機について
ステンドグラスをカットしたあと、研磨機でガラスピースの成形やバリ取りを行います。ステンドグラスで一般的に使われる形状の研磨機を"ルーター"といい、研磨作業のことをルーター作業ともいいます。
アメリカから輸入している商品のため120Vの三又形状のプラグになっておりますので変換プラグを間に入れて使います。
ルーターは作業トレイが外せるようになっており、作業を行うときは必ずここに水を適量いれて使用します。スポンジが水を吸い上げ粉塵が飛ぶのを抑えてくれるためです。作業を続けているとルーターの刃の周りにはガラスの粉末が貯まってくるため定期的にお掃除を行うようにするといいでしょう。
新品のルーターを購入した時、大体3/4インチサイズのルーター刃が標準でついてきます。1インチタイプのルーター刃も存在しており、もしそれを購入して使う場合はトレイの刃の周りのパーツを対応したものに付け換えます。
研磨をしていると水滴や細かいガラス屑が周りに飛び散ります。一応ガードするものとして標準で付いているものが下の画像のスプラッシュガードと呼ばれるパーツです。差し込める場所があるのでそこに差し込んで固定をします。
私どもの工房ではルーターカバーを作って設置しております。目の保護もできるため安全性もあります。隣にはガラスがすぐに洗えるように水を貯めております。
ガラスピースの細かいところを研磨するために1/4インチのサイズの刃があります。形状がルーターの芯にねじ込むタイプと、上にかぶせて六角ねじで固定をするタイプとがあります。ねじ込むタイプはルーターの芯が対応してないと使えないため本体を確認しておくといいでしょう。
当然ですが1/4サイズのルーター刃を使う場合はスポンジから水が上がってこないため、適度に研磨部位を水につけるか、なんらかの方法で水を加えながら研磨をしてください。
ほとんどのルーターの刃は六角レンチで六角ねじを締めて固定するタイプです。
下の画像の刃の上部にあるくぼみとルーターの芯のフラットな箇所を合わせ、六角レンチをしっかりと差し込んで時計回りに回していくと締まっていきます。
その日のルーター作業が完了したら刃を外しておくとよいでしょう。1年つけっぱなしにしていて外れなくなったんですけど…なんて話はわりとある話ですね。
研磨方法
ルーターのスイッチを入れ、ガラスをトレイに置き、軽く刃に押し当てていくとガラスが削れて行きます。新品の状態の刃は溶けるように削れてしまうため注意しながら削るようにしてください。
慣れるまではマジックのラインがわかりにくい箇所も適当に削ったりしてしまうものです。それを改善するために1辺ずつ図面に合わせて削る等して丁寧に行う癖をつけていくといいでしょう。
消えてしまったラインは再度マジックでマーキングをして削る箇所をしっかり把握して行うことが大事です。
研磨作業時に注する点
研磨作業の時に気を付けなければいけない点はまず手の保護でしょう。鋭利なガラスもあるので押し付けると当然切れます。サンディングストーンという道具でバリを取ってからルーターかけをすると安全なんですが、わりと面倒なものです。
意識的に気を付けるようにして、最初に全体を軽く研磨してから成形していくのがスムーズな作業だと思います。
あと注意する点としてはルーターは熱を持つため回し続けないようにすることです。適度に止めつつ可能ならば別のガラスカットなどと併用して作業を行うほうがモーターの寿命的に良いかと思います。