小物の補強について
今回はたまに聞かれるステンドグラスの小物の補強のことについて、いいタイミングだったので少しご紹介をしたいと思います。
皆さんは作品が完成したと思ったらゆるゆるのガラスピースがあって取れそう…みたいな経験はありませんか?
私はたまにあります(笑
で、『あー、やっぱり弱いか~』なんて思うことがちょこちょこあります。
やっぱり
ということは事前に弱いかも?と予想ができていたということになります。
そうです。ゆるゆるになりやすい箇所というのは事前に予想が出来て結構分かりやすかったりします。
ということで今回はそのようなゆるゆるになりやすい箇所の対応について少し触れてみようと思います。
今回はカット済みキット、ステンドグラスのお雛様のお雛で説明をさせて頂きます。
とりあえずはキットの制作は余計なことは考えずにやってもらった方が楽しく作れると思っていて、あまり強度のことについては触れていません。
強度の弱い箇所はデザイン的に出来てしまうことがあります。
お雛でいうと下の画像の赤丸で囲ったところが特に壊れやすいところになります。
こういった弱い箇所に銅線等で強度を上げることを補強と言います。
ただ壊れやすい箇所ではありますが、必ずやらないとダメとかそういう事ではなく、補強をするかしないかは自由といった感じになります。手間もかかりますからね。
あくまで今回は小物の補強についてです。やり方についても自己流ですので参考程度ということでよろしくお願いします。
強度の弱い箇所の特徴と対策
まず強度の弱い箇所の特徴として、下の画像の×、△箇所のように隣接するエリアに一直線で繋がっている点が挙げられます。
さらに×箇所は接地面が短いこともあり、ほんとに弱いです
銅テープとハンダの強度に期待してはいけません。
根本的に図面から手を入れて補強を考える場合、下図の赤丸で囲った箇所のように直線にならないようにカーブを取り入れると少し強度が増しますが、これは今度作る時にこうしようかなって思っているものなので今回は不採用。
上のお雛様を銅線で補強するという前提で紹介します。
銅線で補強ということなのですが、まあ百聞は一見に如かず。
下の画像を見てください。
適当なところにこのように銅線を這わせ、ハンダで埋めるだけです(^_^;)
使用した銅線はエナメル銅線の0.5㎜くらいのもので、今回は赤矢印のようにさらに銅線を折り曲げるところくらいまで這わせています。
『ホビーで使われるようなエナメル銅線の0.5mmなんてすごい細いですけど効果あるの?』って思われるかもしれませんが、あるとないとじゃ全然違います。
ただ、勘違いをされると困るので書いておくと、大きいピースや大きい作品になればなるほど、それに見合った太さの銅線、もしくは補強方法に変えていかないとダメです。
あと銅線を這わせるタイミングは表面と裏面のハンダ作業が終わって側面に入るくらいが丁度いいんじゃないかなと思います。
作業工程例
実際、銅線を這わせハンダで埋めるという作業は慣れないと難しいかもしれません。今は流れを見ていただき、こんな感じでやればいいんだなくらいで良いと思います。
ではお雛の笏(しゃく)の補強の流れです。笏は仮止めをした状態です。
一点適当にちょんと付けます。これは仮付けです。
仮付けしていると銅線が動かなくなるので曲げやすくなります。銅線が長ければこの段階で切っておくといいです。
とりあえず半分這わせて仮付けをします。
こんどは反対側も這わせて仮付けしておきます。
最後に全体を埋めます。これが意外と難しいです。
コツとしては辺全体を温めないように冷ましながら盛るというイメージでしょうか。
辺全体を温めない理由は銅線がビヨ~ンと飛び出してしまうためです。なるべくガラスピースに密着させておくのが理想です。
とまあ以上で小物の補強についての説明を終わります。
参考になりましたでしょうか?
あとは慣れなので意識をして作業をしてみてください!
それではお読みいただきありがとうございました(*^-^*)
2022/01/22