ウロボロスガラス…永遠に
毎月ガラスランド株式会社から送られてくる『Garasu Land Infomation』を開くタイミングを見失ったまま封筒のまま放置しておりました。
業界の情報は問屋さんから聞くことがほとんどなため、毎月送られてくる情報はとてもありがたいものです。
そのありがたい情報を開けもせず放置したままだったので昼ご飯を食べながら開封して眺めておりますと、わりとショッキングなニュースが書かれておりました。その文章を引用させていただくとこのような記事でした。
□ウロボロスグラス製造終了のお知らせ
オーシャンサイドグラスタイル社より"ハンドロールグラス(旧ウロボロスグラス)の製造を終了する"との発表がありました。製造をウロボロス者から引き継いで約2年での終了は誠に残念ですが、実際の所製造は極めて少量だった様です。今後はOGT(旧SP・SPF)のみ製造を継続することになります。
~~~ 略 ~~~
ウロボロスガラスの経緯をご存じの方は一目でわかる内容の記事だと思います。メーカーの情報をあまり知らないよって方もまあなんとなく一つのブランドガラスが消えたんだなということはわかる内容だと思います。
簡単にですがこちらのメーカーが廃業することになった出来事に少し触れてみようと思います。
事の発端はオレゴン州ポートランドの地質調査による環境汚染問題
2016年の春前にあわただしく情報が飛び交うことになります。それはオレゴン州ポートランドで規制基準値以上のヒ素が検出されたことでブルズザイ社とウロボロス社の一部ガラス製造中止命令が出されることになったということでした。
指定金属の対環境汚染への設備の義務化がされたことでしばらくの間多くのガラスの製造が止まることになり、その社会に与えた影響は業界全体に広がることとなり、スペクトラム社においては廃業が決定。
のちにウロボロス社も企業努力で乗り越えていくと発表したものの思ったような結果を出すことができず、事業を中止することを発表し私どもの周りでは業界の先の見えない不安とガラス在庫の不足が目立ってくることになりました。
スペクトラム社の廃業の知らせも相当な事件であったためOGT社(Oceanside Glasstile社)がスペクトラム社の経営を引き継ぎ、さらにウロボロスのガラスの生産も引き継ぐという知らせはとりあえず胸をなでおろしたものです。
OGT(旧スペクトラム)社のガラスはラインナップがリニューアルされ、少し種類は減ったものの徐々に生産されておりましたが、ウロボロスのガラスは気にはしていたもののどうなったという情報は入ってくることはありませんでした。
それから時間が経過し、現在に至るわけですがその間いつか再生産されるだろうと安易に考えていたことを覚えています。
ウロボロスというメーカーのガラス
自分にとってこのメーカーのガラスはランプ制作に限らずアートパネルや小物制作でもお世話になっていたものでした。色の深み、色合い、一流のガラス放つ雰囲気、存在感。
言い過ぎかもしれませんがこのガラスを使えばもっともっといいものができるんじゃないかといった"期待"みたいなものがありました。僕だけではなく全国でステンドグラスをされている多くの方も同じように感じておられるんじゃないでしょうか?
なくなった物はほんとに残念ですけどしょうがないので存在しているメーカーで作っていくことになるのですが、レプリカのティファニーランプ制作においてはブルズアイ社もホットワークガラスメインに移行しつつあるためもしかしたらヤカゲニー社のガラス一択になってくるかもしれません(オセアナもヤカゲニー社の工場で作られているそうなので)
あ、そういえばユーインガラスも色数は少ないですが使えそうかな?もっと中国系のガラスが流通に入ってくるのかな??まだまだ業界の流れから目が離せませんね!それでは本日はここまでとしておきます。